組織があれば派閥ができる
N氏は商事会社には3年ほどいただけで、急死した父親のあとを継ぐため退社しましたが、その後も新規事業進出や会社の経営問題について私の意見を求めていました。
「ほおう、きみの会社にも派閥が発生したか」
「最近常務が妙な動きをしていると感じていたんですが、2、3日前、組合から常務閥を解消すべし、と突然訴えられましてね」
筆頭常務が専務を追い落とそうとして、手下を固めているといいます。
「具体的には、どういうことを組合は言い立てているのかね」
「主として転勤や昇給人事についてなんですが、この春の昇給昇進ではかなり露骨に差が出ていたと、いくつかの具体例を示しておりました」
N社長は人事部長につくらせたという、閥関係者とその他一般社員との考課評点の比較表(昇給昇格のモトになる資料)を私にみせてくれました。
「相当差があるが、たまたま優秀な連中が派閥に引き込まれていたからじゃないのかね」
「たしかにその点もあります。
ここに書きだされた連中は、私も古くから知っており、なかなか優秀で、実績もありますが、問題はこういう連中を集めているということです。
すくなくともほかから閥視されるグループ形成を行っている点です」。